振られた自分を責めたら、同じ分だけ褒めてあげよう
私は最近、元婚約者に貸したお金を返してほしいと連絡したが、その連絡はいまだスルーされたままだ。
友達には、法的措置を取るとか強硬な姿勢にでるべきと言われているけど、私にはなかなかそれができずにいる。
そこには「自分が悪いのだから」という気持ちが大きく作用していて、本当にシャレにならないほど苦しい。
きっと同じように、なんの疑いもなく自分を責めて、自信をなくしている人はたくさんいるのではないだろうか。
もしそこに握りしめた拳があるなら、優しく包んで解いてあげてほしい。
責め癖〜私の場合〜
「人間関係において起こるすれ違いは、どちらかだけの責任ではない」
これは、一方的な暴力やモラハラ的なものはここには当てはまらないと思う。
ただ、よくある恋愛関係では、お互いの振る舞いが、お互いに影響を与え合っているものだから、「どちらか一方のせい」ということは、あまりないのではないか。
最近、そう思えるようになってきた。
私は当時、婚約者から
「あなたに対して嫌だと思うところが消えなくなった」
と言われ、さらには他の人を好きになりそうなので、別れてほしいと告げられた。
入籍予定日の1ヶ月前の出来事だった。
周りからは「そんな最低な男、結婚しなくて正解だった」と言われたけれど、私にとっては本当に大切な人だったし、今でも嫌いなところはほとんどない。
(もちろん復縁を考えているわけでもないし、恋愛感情もない)
なぜ彼を責める気にならないかというと、理由がないからだ。
だって、私の"嫌なところ"が彼を傷つけ続けた結果が、今回の別れを招いてしまったのだから。
入籍の1ヶ月前まで、彼はすごく悩んだだろうし、優しい彼のことだから、嫌なところを嫌だと言えなかったのだろう。
そう思っているからだ。
私がもう少し早く、気づいていれば。
私がもっと、話を聞いてあげていれば。
私があのとき、急かさなければ。
私の中にはたくさんの「If」が溢れている。
しかし、もっと奥深い部分では、
思っていることは自分から主張してくれなきゃわからない。
そうやって、いつもはっきり言わないから急かしてしまうのに。
それって私と本当に向き合う気がなかったんじゃないの?
そんな思いがドス黒く渦巻いている。
笑えるくらい正反対の感情が居座っているけれど、理性が全ての本音を正論で打ち負かす。
「でも、私が優しくできていれば、彼はそんな気持ちにならなかった」って。
だから私は、貸したお金の返済を催促するだけでも、彼に嫌な思いをさせている自分に自己嫌悪感が募る。
ましてや法的措置なんて、別れてもなお彼を追い詰める自分の性格の悪さで、消えてしまいたくなるくらい最悪だと感じてる。
貸したお金を返してもらうことが間違ったことじゃないとわかっていても、そもそも私が別れる原因を作らなければ...と、そこに戻ってしまうのだ。
いい子でいたい気持ち
そんな私にとって、最近はっとさせられる出来事が起こった。
某スマホゲームでのキャラ同士の会話。
心を許していた"親友"もとい従者から裏切られた青年が、裏切られてもなお、その親友を悪者にせず庇う言葉を紡ぐシーン。
側で聞いていたキャラたちが口々にこう言う
「いい子すぎるっていうか、なんっつーか、ウザい。」
「いいやつを通り越して、ちょっと気持ち悪いです。」
こ...これは......
優しいなって慰めるシーンじゃなかったのか...みんな辛辣すぎない??そう思った直後。
でももしかして、私こんな状態なのでは??
と、ハッとした。
もちろんこのキャラとは全く状況は違うけど、私も似たようなことを言っている...
元婚約者のことを悪く言いたくない。
だってあんないい人だった。
私さえちゃんとしていれば...。
だけど違う。
これっていい奴風だけど、現実から目を逸らして、相手とも自分とも向き合ってないんじゃないのかな。
なんとなく、そう思えた。
自分の悪かったところを反省してるのだって、ちゃんと向き合ってるじゃん。
そう思った人もいると思うし、それはもちろん間違いない。
むしろきちんと向き合って、ちゃんと考えた結果だと思う。
でも、そのほかにだって原因は沢山あって、例えば相手も難しいことは後回しにする性格だったり、口下手だからって伝える努力を怠ったり。
その度に私はきっと、つらいよ、しんどいよって思ってた。
なのにそこは目を瞑って見えないフリをして、頭で考えて生み出した「私のせい」にしがみついて、努めていい子でいようとしていたんじゃないかな。
ほんとはもっと、自分に
辛かったよね
しんどかったよね
自分なりに大事にしてきたんだよね
悔しかったね
って、優しくしてあげたかったし、なによりも彼にその気持ちに気づいて欲しかった。
もらえなかった優しさを、ほしかったと言わないように、頑張って頑張って押し込めたのかも。
だから、自分のせいにすることが1番、しっくりきたんじゃないのかな。
わがままを言わないようにしていた、私のなけなしの「いい子ぶり」だったのかもしれない。
わがままでいいじゃん
私の場合はきっと、いい子でいなくちゃ!って気持ちが強くて、自分のせいにするのが1番簡単だった。
これは人それぞれに違うと思っていて、人によっては「自分に自信がないから、相手が悪いと思えない」とか「相手から言われたダメなところを本気で反省してる」とか、そういった理由もあるかもしれない。
でも、みんなに共通するのはね。
傷ついたのは相手もあなたも同じだということ。
みんなすごく優しいんだよ。
自分のせいにしちゃって、相手を庇っちゃうくらい。
もちろん私も含めて←
それはとても素敵なことなので、自分を責めるなんて間違ってる!!!なんてことは言わないし、私だって、今の考え方を変えることはできないと思う。
だけど、自分をたくさん責めたら
その分めっちゃくちゃ褒めてあげてほしい。
ずっと一緒にいたかったよね。
もっと愛されたかったよね。
あのとき好きって言って欲しかったよね。
手を繋ぐだけで幸せだったよね。
本当に大好きだったよね。
だけど、気持ちを押し付けたくないんだよね。
偉い偉い、優しい子だね!!
前に進もうって、一生懸命なんだね!!!
私はちゃんとわかってるよ。
偉いね。大丈夫だよ。
って、ゲロ甘やかしにしてあげようよ。
自分の前でなら、わがままになってもいいんだから笑
なんなら大声で「大好きだったのにコノヤロー!!!」って叫ぶといいよ!!
実際、私はこれに気づいて、すごく楽になった。
ほんとに、心の相談窓口に電話してやろうかと思うくらい自己嫌悪だったけど!!笑
まずは自分が、自分のことを許してあげなきゃって思った。
とはいえ、失恋に限らず、別れは辛いし、自分には自信ないし、すぐには変われない。
だけど少しだけ、目線を変えてみるだけで、ほんとにちょっとだけ、違う世界が見えることもある。
明日の私の、そしてあなたの足取りが、軽くなりますように。
そして彼に貸した50万がきっちり返ってきますように。